田舎学生の海外大学院学位留学挑戦記

とある田舎出身の学生が海外大学院での学位留学に挑む汗と涙と命を賭けた壮絶な体験記です。

留学記第 11 章 ~ 研究インターンシップに参加 ~

[ 暑い熱い夏のはじまり ]

久しぶりの投稿です。この3か月くらいの間に人生の転機がいくつかあったので、その途中である今、少しまとめようと思います。

まずですが、7/13日から昨日(8/10)まで一か月の長期研究インターンに行ってました。
場所は神戸にある理化学研究所計算科学研究機構(通称 AICS)
ここのデータ同化研究チーム(気象予報の精度向上技術の研究チーム)に理研インターン生としてお世話になってました!結論から言うと、非常に幸せで充実した毎日を送れて、帰国後の色んなモヤモヤとか負の感情から解放された気がします、たぶん笑。友人がイギリスから同じチームにインターン生として来てたので、彼とはさらに仲良くなれました。

きっかけ

きっかけは、帰国後にGoogleを開いたときに、ふとおすすめ記事にインターンの募集記事が掲載されたことでした。最近の検索技術は本当によくできてます(笑)。しっかりユーザーの好みに合わせて、興味がありそうな記事をいいタイミングで選択してくるものです。巷で話題になっている「機械学習/AI」の恩恵ですね…
この募集を見た時は不本意すぎる帰国直後で、「もしここでうまくいけば、また何か活路が開けるはず!それにいい推薦状ももらえるかも」といつも通りアグレッシブにチャンスを狙いに行きました。

インターンの内容

インターンの内容は研究所なので研究です。
具体的には、学部の時から気象予報の精度向上に関する手法・システムの改善に関して取り組んでいたので、毎日コーディング(=プログラミング)です。

成果としては、

1.莫大な数の衛星データから、欲しいデータを高速・効率的に探索するアルゴリズムの開発
2.高精度な気象のモデルの結果と衛星データとの比較実験

です。

徒歩と電車で40分くらいのところにある滞在先から研究施設に通って、朝の8時くらいから、遅い時は夜の11時くらいまでパソコンの前に座っていました。というのも、2週目と、2週目までの進捗のおかげで追加で3週目にもチームリーダーへの成果プレゼンがあったので、かなり限られた時間で与えられたプロジェクトをリーダーが満足する出来に仕上げる必要がありました。かなり追い込まれてましたね。しかし、だからこそのスリルと漲るやる気は、帰国後の憂鬱な日々を実りのあるものに変えてくれました。
基本的にインターンといえば長くても1週間程度なので、4週間のインターンはかなり長いです。しかし、充実していると時の流れは早く感じるもので、今はあと1か月追加して居たいですね。

インターン中の思い出(研究編)

もはや神戸滞在の99.7%の思い出はこれです。むしろ研究じゃなかったら何しに来たんだって怒られますよね。あとの誤差みたいな0.03%は途中で都内に戻って受けたTOEFLとその後に大学の先輩に誘っていただいたサッカー観戦、最後の週に楽しんだ京都と神戸観光です。

昨年の夏に引き続いて、幸運なことに、素晴らしい研究機関で明日の自分を作る修行の時間を与えていただけたのは非常にありがたいことです。
昨年と同じ点は、やはり1日1日の小さな積み重ねをある程度の結果に結びつけたことによって、周りの方々に少しは筆者の力認めていただけた点でしょう。というよりは、何が何でも自分を認めさせてやるという強すぎる承認欲求が無事具体化されたといった方が正しいかも。

昨年と異なった点は、昨年はお世話になった大学院の学生にかなり助けてもらったけれど、今年は自分で考える時間を多く与えてもらったことで、一層大変だった分、より得るものも大きかったことでしょう。指導研究員の方は優秀で(理研にいるから優秀なのは当然だけどその中でも!)、かつハングリー精神の塊みたいな人で、彼から技術的なことはもちろん、新鮮な考え方や、人生とは?成功とは?みたいな哲学的なことまで話をすることができ、幅広い知識を吸収できたことは大きかったです。

その中でも、筆者が記憶に残っているのは次の2点です。

「内なる欲求こそ最も強い人間を駆り立てる動機である」

1点目は、内なる欲求こそ最も強い人間を駆り立てる動機である。

例えば、何かを目標としたとき人は様々な表向きの理由を立てるでしょう。
「△○のことをやると社会はより良くなる。」
「○□は今後流行するから起業して×△しよう。そしてこれは○○で人類の役にたつんだ。」

これは筆者にも当てはまる。
「留学して気象予報の発展に貢献すれば、より安全な世界を実現できる」
「外国で学位を取ることは、国際的な感覚を身に着け、将来の日本の国際競争力を押し上げる理由で大事である」etc …

彼は、成熟した大人ではない、20代・30代の者がそのような理由付けをすることを「優等生的な解答」と呼んでいる(私が優等生という訳ではない笑)。
要は、こういう型にはまった万人受けする理由を言うことで、周囲を満足させ自分を安心させているのだと。しかし、そんな表向きのカッコいい理由は、自分の言葉で表したものではなく、いつしかその表向きの理由に辟易する。

実際筆者自身も、そんなカッチョイイ言葉を使って、自身の行動を高尚なものに勝手にしていたと思っている。そして、いつしかその理由に自分自身が囚われていた。

しかし、内なる動機とは何だろう。
かの松下電器(現パナソニック)を開いた松下幸之助の初期の仕事の原動力は、私の指導員曰く
「周りの男が仕事をして金を稼ぎ、可愛い子とデートしているのが悔しくなり一生懸命働こうと思った」ことらしい。「可愛い女性とデートしたい」という内から湧き上がってきた動機が、今のパナソニックの原点のようだ。

確かに筆者自身も、留学したい、海外の大学で博士を取りたいと思った原点は、
「ただただ他の国で働きたい」
なんていう、先ほど挙げた高尚な理由とは程遠いものである。
しかし、今振り返ると、昨年あれだけ命を懸けて頑張れたのも、「外国に行ってみたい」という波一通りで平凡だが、心の奥底から無限に湧き上がる気持ちが意欲の根底にあったからだったのではないかと反省している。

「体力の重要性」

2点目は、体力の重要性である。

これは単に長距離を走る速さではなく、謂わば、集中を保ち常にアグレッシブでいる持久力である。
体力があれば、体と心を健康に保つことができる。体と心の健康は何かに挑戦しようという好奇心を生むだけでなく、好きなことに熱中する気力を与える。それによって、人生が充実したものとなるという彼の理論である。

確かに、疲れ切っているときは、やる気が出ず小さな嫌なことでも滅入ってしまう。これはミュンヘンで経験済みである笑

彼から、「君は体力があることが素晴らしい点だ」と言っていただけたので、今後とも充実した日々を送れる体力の維持・増進に勤しみ、常に積極的で冒険的でありたい。

研究内容

研究について話を戻そう。
研究内容は理研に属し、そこで僕の成果が論文になるので詳細は言えないですが、衛星のデータをどう効率的に/高速に扱うかということがメインテーマになりました。

宇宙空間には多くの人口衛星が飛んでいて、その中のいくつかは気象データを地上に届けてくれる気象衛星になります。この衛星はかなり優秀で、大量というより莫大な量の情報を毎時間観測してくれます。むしろ計算機での処理が追い付かないくらいです。

そこで現在は、気象衛星のデータはある程度で間引きをして利用しています。このように豊富すぎる衛星データは、現在のデータ同化(気象予報精度向上の手法・システム)においては、高々数%しか実際には利用されていないといわれています。

今回、従来の間引きではなく豊富なデータを全て扱おうという目標のもと、効率的に、そして高速に取り扱うアルゴリズムを開発しました。様々試行錯誤して、シンプルなプロトタイプのシステムを高速化させたり、アルゴリズムを様々追加したり、大幅に変えたりと、大変でした。ですが、いいアイディアが浮かび、それを実現するプログラミング能力のかいもあって、チームリーダーが自分のアイディアと成果を気に入った時は非常に自信になりました。彼から、「これはコンピューターサイエンス系の論文で出せるよ」と言っていただけたときは自分の努力が実って素直にエキサイティングな気持ちになりました。

インターン中の思い出(オフ)

インターン中は京都の嵐山・清水寺周辺と神戸の北野を観光。
加えて、インターン生同士で回転ずしに行ったり、サッカーを観に行ったりしました!

欧州の大学院に行ってしまう友人が京都に住んでいるので、彼に案内してもらってまだ訪れたことがない天龍寺渡月橋を観光しました。DNAに深く刻まれた日本人の心が出現して、庭園を存分に楽しんできたかなと思ってます。清水寺は毎回京都を訪れるたびに出向いていて、今回は生憎の修復工事中で美しい外観を拝めることができませんでしたが、やはり大好きなところです。清水の舞台から眺める京都の景色が個人的にはおススメですね。

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(天龍寺の庭園。その1)

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(天龍寺の庭園。その2)

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(渡月橋の眺め。生憎なことに雨模様)


神戸の北野は、イギリス人の友人から「景色が最高だから行った方がいい!」と勧められて炎天下のなか三宮から続く坂道を上り、途中お洒落なスタバで休んで見学。

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(日本三大スタバの中の1つらしい)

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(北野の坂道からの1コマ)

個人的には坂道を上った所から海岸線に沿って続く神戸の街並みが美しかったなと思ってます。神戸は明石海峡大橋や、急峻な六甲山とその坂に並ぶ家々、そして美しい港街の風景から、筆者自身どことなくサンフランシスコの景色と重なるところがあるな~と感じてます。

雑感と今後

今自分が享受している計算機の環境は世界でも随一のもので、それを捨てて不便なところに行くのは正直割に合わない気がしてなりませんし、それが帰国の要因でもあります。また最近は、わざわざ東京都市圏で受ける恩恵を捨ててまで、他の国や都市に移ることが幸せなことなのかと疑問に思うこともあります。

しかし、今後はやはりもう一度海外の大学院(特に米国)に挑戦しようと思います。現状は、誰かが用意してくれた環境でしか生きれない、謂わば、籠の中の鳥のようなものですが、ワシのように力強く羽ばたくには、やはり敢えて厳しくも得られるものが多い環境を十分に見定めて、そこに飛び込んでいく必要があるのかなと思います。個人的にアメリカの生活や文化と欧州のそれ比較すれば、欧州の方が断然好きです。米国は、仕事のやりがい、豊富な資金力を背景とした素晴らしい環境や自由で開放的な一面がある一方、生活自体には魅力を感じない自分がいることも確かです。私個人的には、生活環境は生きる上で非常に重要な点だと思い重視したいです。現状、候補の大学を選んでいる最中ですし、その他の準備に拍車をかけようと思います。また、個人的に気象学からコンピューターサイエンス・応用数学系の学問に移ろうかなと考えている所です。自分には「自然現象を追求する気持ち」がどうしても足りない気がして、アルゴリズムを考えて実装して満足するような、ゲームを楽しむ気持ちが先行している気がしてなりません。

今後も、自分はハッピーで居られるように頑張っていこうと思います。